ものづくりに興味があるならポリテクセンターをおすすめ【求職者向】

一時期ポリテクセンターで職業訓練を受けていました。その時の話を紹介します。

ポリテクセンターとは

ポリテクセンターとは、職業能力開発促進センターのことで、独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構の一部です。全国に支部があり、私は群馬支部に通っていました。

たまたまなんですが、ポリテクセンター群馬が私の住んでいるところから近かったのです。自転車でも通えるくらいの距離でした。私は車の運転がとても苦手なので、近いという点が非常に重要でした。

ポリテクセンター群馬

さまざまなコースがある

私が通ったのはスマート制御システム科でした。この科以外にもたくさんコースがありまして、どれも大変興味深かったので、コースを決めるのに本当に悩みました。

最後まで迷ったのが、マシニングCAD科。企業実習がついているのが大変魅力的でした。企業実習と言うのは、実際に企業に行って1か月実習をするのです。ただ、たまたまそのときコースが開講するタイミングがちょっとずれていて、少し待たないといけなかった(3か月程度)ので、すぐ入所できる(すぐ開講する)スマート制御システム科にしました。

基本的には製造業向けのコースばかりです。ものづくりにちょっとでも興味がある人ならどれもおもしろいコースだと思います。資格をとることもできます。

ものづくりにあまり興味がない人でも、ポリテクは職業訓練だけではなく、自分のキャリアを棚卸する学習もあるので、もし時間とか家族に理解が得られるとか、さまざまな条件が許すなら、トライしてみたらよいと思います。

私は結局製造業には就きませんでしたが、ポリテクに通った半年間の経験は、自分の人生の貴重な財産になったなと思っています。

スマート制御システム科とはどんなコースか

私が学んだスマート制御システム科がどのようなコースだったか、ご紹介します。

最初の1か月は電気の初歩を学びました。オームの法則を思い出しましょう!から始まって、丁寧に電気系で使う道具の使い方から、計測方法、直流と交流の違い、さまざまな電子部品の名称と形、機能を教えてもらいました。

分からないときは、どんどん質問をすべきです。私は分からなかったので、しつこく質問していました。いつもとても丁寧に答えてもらえました。

2か月目はJavaを学習しました。この辺は私には簡単すぎて、最初の導入からコンパイル→実行までのやり方を教えてもらうまでは授業にオンタイムでついていきましたが、コンパイルと実行のやり方が分かってからは、あとは独学でテキストをどんどんひとりで先に進めてしまいました。

そのテキストは1週間でクリアできたので、次の応用編を自分で購入し、独学していました。でも講師の先生は好きにしてくださいという感じで、基本私を放置しておいてくれました。この辺の放置加減がとても心地よかったですね。私にとってとてもよい学習環境だったと思います。分からないところは質問すると親切に答えてもらえるし、好きなだけどんどん先に進んでいっても怒られないし。

義務教育のときは周りと合わせないと怒られました。一人で勝手に国語の教科書を先の方まで読んでいると協調性がないと言われるし、いいことなかったです。しかし、ポリテクは学びたい人はどうぞ学んでくださいというスタンスのところなので、本当に最高の学習空間でした!

応用編も2週間でクリアでき、余った時間はリバーシゲームをJavaで作ろう!という大学の授業のWebサイトを見つけ、ゲームを作っていました。↓

リバーシの作成(クリックした場所にコマを置く)

Javaで作ったリバーシのゲーム画面
Javaで作ったリバーシのゲーム画面

3か月目は再び電気系の授業になりました。アナログな電気回路を組み立てていき、最初は200V未満の小さな回路から、つづいて200Vの電気回路と進んでいきました。授業についていくのに必死でした。私はどんなに頑張っても、回路を組むのにクラスで1番にはなれませんでした。早い人はあっという間に回路を組み立て終わってしまうし、ある人は配線がとてもきれいだったりするし、みんなすごいな!と思いました。

4か月目は工場で使うPLCというものすごくハイスペックなマシンを使って、デジタルな回路を組み立て行きました。このマシンは、多分もうこの後一生縁がないマシンだろうなあ!と思いながら、幸福感を感じながら作業していました。あんなすごい機械を、一人に1台ずつ使わせてくれるポリテクってすごい!と思います。

5か月目はLinux(CentOS7)を使ってWebサーバ、DNSサーバを構築しました。ここで得た知識は、かなり飛躍的に私のWeb知識を増強しました。

6か月目はAndroidアプリをJavaで作る方法を学びました。AndroidStudioの使い方を学びつつ、簡単なアプリを作るのがとても楽しかったです。また教える先生がとんでもなく優秀な方で、とても分かりやすかったです。講師の先生が作るプログラムのコーディングがむちゃくちゃきれいでした。

講師の方もおっしゃっていましたが、このスマート制御システム科はかなりカバーする範囲が広く、教えるのも一苦労だそうです。確かに学ぶ方も大変でした。特に、2か月目に学んだJavaが5か月目、6か月目で再び出てくるので、忘れていることも多く、思い出すのにも一苦労でした。

コースの内容は毎年少しずつ改良し変えていっているそうなので、現在の内容とは異なるかもしれません。

ユニークな模擬面接

授業とは別に、何回か就職に役立つ講義がありました。履歴書の書き方、職務経歴書の書き方、面接でのあいさつの仕方、お礼状の書き方、自分のキャリアの棚卸の仕方など、懇切丁寧に教えてくれます。

さらに、模擬面接と言うのがありまして、訓練生1人に対して講師が2名面接官として模擬面接をしてくました。その日はちゃんとみんなスーツを着て、本番さながらに臨みます。

面接は10分程度で終わり、そのあとは講評を受けます。模擬とはいえとても緊張しました。普通に企業で面接を受けるよりも緊張したかもしれません。

やってよかったなと思ったのは、面接の練習をしておいたおかげで、本番の面接ではかなりリラックスできたことです。しかし、残念ながら面接で落ちましたが^^;

お金がもらえる

ポリテクには求職者訓練延長給付で通いました。最初はハローワークで普通に失業の認定を受けていたのですが、途中でポリテクを知り、ハロワの紹介を受けてポリテクに通うようになると、給付期間が訓練期間中延長されます。たとえば、給付期間が90日の方ですと90日分をもらい終わったらそれで求職者給付はおしまいですが、途中でポリテクに通い始めると、ポリテクが6か月間かかりますから、たとえ途中で90日目を迎えたとしても、そのあとポリテクの6か月間が終わるまで、お金が出るのです。

授業料は無料です(テキスト代や本購入代はかかりますが)し、お金はもらえるし、懇切丁寧な職業訓練が受けられるし、がんばれば資格もとれるし、本当にいいことずくめでした。

指名求人制度

ポリテクでは訓練生の名簿を作って(氏名や性別は非公表にした形で)企業向けに求職者の人材情報誌を定期的に掲載しています。↓は2022年4月26日現在の人材情報誌です。リンクが切れていたらごめんなさい。

人材情報誌を発行しました。(4月26日版)

https://www3.jeed.go.jp/gunma/poly/info.html/hl52qs00000gw7jw-att/hl52qs00000gw7lu.pdf

この人材情報誌に掲載した後、企業から指名をもらう受講生と言うのはたいてい若い方(20代~30代)でして、私のような年配者(40代~50代)は全くと言っていいほど指名がありませんでした。

どうせ来ないのは分かっていても、寂しいものです。そんなとき、1件でも指名があると飛び上がらんばかりに嬉しかったものです。でも、周りには指名をもらえていない受講生もいるので、大っぴらには喜べませんでした。一人でトイレでガッツポーズをしたものです。

逆に、若い人は毎週何件も指名が入るので、飽き飽きしているようでした。断るにも理由が必要なので、それを毎回考えるのが大変そうでした。

橋渡し訓練

橋渡し訓練というのは、本コースが開講する前に1か月間、自分のキャリアや性格を棚卸し、面接や就職における基本的な礼儀作法を訓練するコースです。この橋渡し訓練は希望しないなら受けなくてもよいのですが、橋渡し訓練とはいえ訓練は訓練ですから、求職者給付の対象となります(お金が出ます)。私の場合、もういい年でしたし、希望しても受けられないだろうなと悲観的な気持ちでいたのですが、希望したらあっさり受けることができました。

この辺は通う訓練校によって異なるのかもしれません。東京のように希望者が多いところでは、きっと抽選になるでしょう。私が通ったのが、人が全然住んでいない群馬のポリテクだったから、あっさり受講できたのだと思います。

橋渡し訓練ではグループワークもありまして、これがとても楽しかったです。いろいろな職業を経験してきた人たちの話は、ただ聞いているだけでも興味深いです。年齢も性別も国籍も異なる(外国籍の方もいました)人たちが同じ目的(就職)のため集まっているというのは、なかなかない経験でした。

ひとり減りふたり減り・・・どんどん寂しくなる授業

ポリテクの目的は就職ですから、6か月間の訓練中に就職が決まったら、さっさと退所して就職する人もいました。最初に一人決まって辞めていき、次の月にはまた一人決まって辞めていき・・・と、どんどん辞めていきました。

私のいたスマート制御システム科では最後までそれほどたくさんの人は就職はきまらず、あまりさみしい状態にはならなかったのですが、ある科では最後の月には8割がたが辞めてしまい、残った人も就職活動で忙しく、結局授業は先生一人と受講生1名しかいなかったということもあったようです。

周りの就職が決まると、やはり焦ります。おめでとうとは言いますが、内心うらやましくてしょうがなかったです。