e-Govはいつから始まったか?

今でこそ電子申請は当たり前、e-Govは当たり前になりつつありますが、以前は利用率数パーセントという知名度でした。そういえばe-Govっていつから始まったのでしょうね?興味を持ったので調べてみました。

電子政府の総合窓口

一番身近な厚生労働省でまず調べました。厚生労働省のホームページで、e-Govの片りんが現れたのは、「電子政府の総合窓口」という名前ででした。

当時から、URLはwww.e-gov.go.jpでした。


2002年6月1日当時の厚生労働省ホームページトップより。リンク集に「電子政府の総合窓口」があり、これのリンクがwww.e-gov.go.jpでした。

Wayback machineに残っているWebアーカイブで調べると、www.e-gov.go.jpの一番古いアーカイブは下図でした。

https://web.archive.org/web/20010220185155/http://www.e-gov.go.jp/

2001年2月20日に採取されたアーカイブが一番古いようです。

これより前から存在はしていたのかもしれませんが、はっきりとした始まりは特定できませんでした。

当時は総合案内クリアリングシステムと言っていたのですね。

平成16年の厚生労働白書によると、「国民の利便性・サービスの向上等を図るため、2003(平成15)年度末までに、ほとんどすべての申請・届出等手続のオンライン化を実施している。」とのことですから、電子申請とまでは言えなくても、各省庁レベルで申請・届出等手続のオンライン化は進んでいたようです。

それらのリンクを集約したのが上記「総合案内クリアリングシステム」というページだったようです。

上図にもありますように、2001年4月1日から「電子政府の総合窓口」という名称に変わったようです。

2001年4月2日のアーカイブ

当時からe-Govというロゴが使われていたことが分かります。

しかし、今とは少し違いますね。

e-Gov

e-Gov(イーガブ)という名称がはっきりWebに現れるようになったのは、2004年1月5日からだと思われます。当日のアーカイブは残っていませんが、まず直前のアーカイブがこれです↓

2003年12月29日のwww.e-Gov.go.jpのトップページのアーカイブ

↑これを見ると、平成16年(2004年)1月5日からリニューアルすることがアナウンスされています。

2004年1月23日のwww.e-gov.go.jpのトップページのアーカイブ

その直後、アーカイブに残っている一番直近の記録が2004年1月23日のこれ↑でして、ここで初めてe-Govがイーガブと読むことがはっきり示されました。

ところが各省庁からの認知度は相変わらず電子政府のままだったようで、リンクの名称はそのままとなっていました。

厚生労働省のホームページのリンクが「電子政府の総合窓口」からe-Govに変わったのは、2007年12月19日頃です。

2007年10月25日の厚生労働省のホームページのアーカイブ
2007年12月19日の厚生労働省のホームページのアーカイブ

e-Govが現在に近い見た目になったのは、2010年4月頃です。

2010年4月11日のwww.e-gov.go.jpのトップページのアーカイブ

私が社労士になったのが2018年で、そのときのe-Govのトップページはこんな感じでした。

2018年8月21日のwww.e-gov.go.jpのトップページのアーカイブ

利用率の推移

ついでに利用率の推移を見てみましょう。

国の手続きにおけるオンライン利用率(オンラインで実施可能な手続におけるオンライン利用件数の割合)の推移

総務省から拾ってきたデータによれば、2018年で60%ですので、だいぶ増えましたね。

そこから4年経ちますので、現在はもっと利用率は増えていると思います。押印の簡素化もありましたし、いずれすべてがオンライン化するでしょうね。紙ベースで申請をする方が珍しい時代が来るのでしょう(もう来ている?)。

まとめ

以上、e-Govはいつから始まったかというと、URLの存在だけを言えば、2001年にはすでに始まっていました。

そう考えると、かれこれ20年以上経つのですね。意外と古かったです。