三菱樹脂事件

労働基準法第3条が禁止する労働条件についての差別的取扱いには、雇入れにおける差別は含まれないとした最高裁判所の判例は、昭和48年の三菱樹脂事件で出されたものでした。

私が社労士の勉強をしているとき、予備校の先生が、「この判決が出たときは、ものすごいバッシングでした」とおっしゃっていて、へえと思ったものでした。

いったん雇い入れたら差別はダメですが、雇い入れるときには差別してもよいという考え方は、当時のマスコミや学説等でだいぶ批判を受けたようです。

今回あるセミナーでこの事件について少しお話があり、もし似たような事例があれば、今ならどう判断されるか分からないという講師のお話でした。しかし、相変わらず最高裁の判例が踏襲される可能性もあるとのことでした。

もっとも現在では、差別というより、個人情報保護の問題意識もあって、採用面接では聞いたらNGな質問が決まっています。

公正な採用選考の基本 – 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm

上記は、厚生労働省の公正な採用選考についてまとめてあるページです。

学生運動が原因で三菱樹脂事件が起きたのですが、そもそも今学生運動自体が下火ですから、もうこのような事例は出てこないような気がします。