100時間80時間45時間の根拠
毎週水曜日に受講している労働法セミナーで教わったトリビアです。
36協定で定める時間外労働時間の上限は45時間です。特別条項を使って年6回までなら上限は80時間も可です。しかし、この特別条項は条件が厳しく、直近2か月~6ヵ月の平均がすべて80時間かつ単月の時間外労働時間が休日労働時間も含めて100時間未満であることという縛りがあります。
この45時間、80時間、100時間について、どうやって算出したかを講師が教えてくれました。
100時間
1日は24時間です。
食事や排せつ、お風呂や着替え、家事の時間は5.3時間と見積もっているそうです。
睡眠時間を5時間と想定し、労働時間(拘束時間)を9時間と想定します。そうすると、次のような計算結果になります。
24時間 - 5.3時間(食事等) - 5時間(睡眠) - 9時間(仕事) = 4.7時間 …【 A 】
これが1日の時間外労働の上限だという訳です。
ところで1週間の労働時間の上限は40時間です。1週間は7日間あります。1年は365日です。
40日 ÷ 7時間 × 365日 ≒ 2085.71時間/年
1年間に1か月は12回ありますので、これを12で割ると
2085.71時間 ÷ 12か月 ≒ 173.81時間/月
ところで、1日の労働時間の上限は8時間でしたね。ということで、これを8時間で割ると、
173.81時間 ÷ 8時間 ≒ 21.7日/月
ということで、1か月の平均労働日数は21.7日ですから、先ほど計算しておいた【 A 】の値を掛けますと、
4.7時間 × 21.7日 ≒ 101.99時間
ということで、だいたい100時間が月の時間外労働の上限とされたそうです。
80時間
睡眠時間を5時間から6時間に変えてみます。
24 – 5.3 – 6 – 9 = 3.7
3.7 × 21.7 = 80.29
↑これが80時間の上限の根拠だそうです。
45時間
ところで、睡眠時間は長ければよい訳でもないそうです。ちょうどよい時間というのが7時間半だそうです。
24 – 5.3 – 7.5 – 9 = 2.2
2.2 × 21.7 = 47.74
↑これを根拠に、月の上限が45時間に定められたそうです。
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