年次有給休暇取得率

国が掲げる年次有給休暇取得率の目標値はずっと変わっていません。70%です。

労働時間等設定改善指針(2008年3月24日)では2020年までに70%となるよう目標が定められました。

労働時間等設定改善指針の目標値の一部

ところが2019年の実際の有給休暇取得率は56.3%と、大きく目標値を下回ったことから、少子化社会対策要綱(2020年5月29日)でも年次有給休暇取得率の目標値は、2025年までに70%となるよう定められました。

少子化社会対策要綱の目標値の一部。70%(2025年)の数字が見える。

同様に、2021年7月30日の過労死等の防止のための対策に関する大綱でも取り上げられています。

過労死等の防止のための対策に関する大綱の具体的な数値目標の一部。年次有給休暇取得率の目標値が令和7年(2025年)まで70%以上とするとされている。

このように、政府はずっと70%以上の取得率を目標に掲げている年次有給休暇取得率ですが、実際の取得率はどうかというと、

令和4年就労条件総合調査の概況より

最新の2022年でも58.3%となっていて、目標の70%までには届いていません。

しかし、このグラフの上り幅を見てみると、ひところに比べたらだいぶ角度が急になっていきています。このままの調子で取得率が伸びていけば、政府が目標にしている2025年には無理でも、2029年までには70%到達できるのではないかと思いました。

野口予想

私の肌感覚での話になりますが、企業さんによっては取得率はほぼ100%というところも出てきています。そういう企業では、みな年次有給休暇を取得することに引け目を感じることなく、堂々と取得する風土ができているようです(当たり前のことですが)。

一方、取得率が平均の58%にも届いていない企業も一定数存在しています。そういう企業では、仕事の属人化現象が起きているような気がします。私の見た企業さんでは、仕事のできる人に仕事が集中していました。そういう場合、その人が休んでも誰も仕事をやってくれない(その人しかできないから)ので、休んでも仕事に戻ってきたときに仕事がたまっていてかえって自分にとって不利になる、だから休まないという悪循環ができていました。

取得率が58%に到達していない企業さんでは、まずは仕事の棚卸をおすすめします。属人化していないか、その仕事は本当に必要な仕事なのか、整理してみるのです。そうすると意外と無駄な仕事、ほかの人でもできる仕事が見つかることがあるようです。