TA年金請求書(様式101号)のカラ期間のページ
年金実務者研修を受けています。研修で教わった中に、TA(ターンアラウンド)年金請求書のとてつもなく面倒くさいページがありましたので紹介します。
20歳から60歳までの年金に加入していない期間
20歳から60歳までの年金に加入していない期間がある場合、かつ、年金受給資格期間が300月未満である場合に、記入する必要があります。
これは何のために設けられたかというと、遺族厚生年金の受給要件である25年以上の受給資格期間の有無を確認するためだそうです。
平成29年8月に、老齢給付の受給資格期間がそれまでの300月から120月に短縮されたとき、死亡に関する給付についても同様となればよかったのですが、同様とはなりませんでした。
そのため、裁定請求の手続きの段階で、あらかじめカラ期間の有無をきっちり調べておき、いざこの方が亡くなって遺族厚生年金の心配が出たときに困らないようにしておくよう、受給者原簿に記載しておくのだそうです。
受給資格期間が300月以上ある方の場合は、この欄には次のように記載されており、記入の必要がないそうです。
このように「お客様は記入不要です」と書いてあるのは、このページの前の前のページの「受給資格期間」の欄の数値が300以上の方だそうです。
国年だけでも書く(場合がある)
例えば国民年金だけの加入期間の人であっても、この欄はしっかり書くのだそうです。
加入期間が国年の高齢任意加入した1年のみ、海外在住期間が長くパスポートからカラ期間を証明したような人の場合、この方が死亡したとしても遺族厚生年金の心配はないと思いますが、そういう場合でもこのページの記載は必須でしょうか?と質問したところ、「必須となります」とのことでした。そもそもカラ期間の証明が必要ですとも。
受給資格確保のための高齢任意加入の場合、加入申出の段階で相当シビアに調べて、証明書も全部取り寄せて、その上で高齢任意加入申出書を提出してもらうはずですので、おそらくこういう方の場合は、日本年金機構のデータベースにはカラ期間が登録済みであり、TA請求書内の受給資格期間の欄は480月となっているのではないかと想像します。しかし、もしまだ登録されていなかったら・・・・たとえ国民年金だけの方であり、この方が亡くなったとしても遺族厚生年金の心配はないとしても、年金を請求するこの段階で全部記載することになるんだそうです。これは大変!と思いました。
40年間分全部の空白を書く
人生の40年分というと、かなり大変です。記録魔の私だって、覚えてないこと、記録していないことはいっぱいありますから。
とにかく20歳から60歳までの期間で少しでも空白期間があったら調べないといけないので、窓口で聞き取るそうです。
たいていは届け出漏れだそうです。・・・しかし、万が一浮いた年金問題のような年金記録だったら困るので、この段階でしっかり調べるそうです。
古い期間だと記憶があいまいになっていることが多く、なかなか聞きだせず、結局審査の過程で漏れが見つかって再度お客様に聴き取りと言う手間がかかることもあるとか。
これは・・・・大変な書類ができてしまいましたねと思いました。25年分(300月)に達したらあとはもう調べなくてよいというものでもなく、とにかく40年間(480月)全部だそうです。
受給資格期間が短縮されたのはよかったのですが、結局書類作成にかかる手間暇はあまり減っていないようです(むしろ増えた?)。
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