荒木尚志「労働時間の法的構造」

  • [記事公開]2022.10.30[最終更新]2022.10.31
  • 労働時間

今荒木尚志先生の「労働時間の法的構造」という本を読んでいます。

本の外観

だいぶ古い本のようですが(1991年2月28日発行)、おもしろいです。

労働時間のことについて深く、詳しく知ることができます。

今読んでいる部分では、労基法は故意犯だけだけど、ドイツでは過失犯も処罰対象と言うのがおもしろかったです。

ここで注意すべきは、故意犯のみを処罰する労基法と異なり、AZO(筆者注:ドイツの労働基準法)は過失犯をも処罰する点である。西ドイツでは一般に使用者の配慮義務が強調されているが、労働時間規制においても労働者に法定時間外労働をさせないよう配慮すべき義務があるとされ、例えば、日祝日等には事業場に施錠する等して、労働者が就労しない措置をとるべきであるとされている。このようなことを考え併せると、過失犯をも処罰する規制は、大きな意義を持つものと考えられる。


荒木尚志「労働時間の法的構造」(有斐閣1991年2月28日発行)

むかーーーし、深夜に職場に行って気が済むまで仕事をしたことがあります(もう20年経つから時効だよね・・・?)。当時はまだ27歳、仕事が楽しくてしょうがなかったし、体力も有り余っていたのでできたことですが、ドイツだったらこういうのも使用者の過失となってしまう訳でして、そうならないために、終業時刻後は施錠するのでしょう。日本も過失犯を罰するという風になったら、とてつもなく影響が出るなあと思いながらこの部分を読みました。

図書館で借りた本ですが、購入して手元に置いておきたい本です。

しかし、現在は中古品でしか入手はできないようで、お値段も19,000円!

ちょっと手が出ません・・・。

こういうのを好きなだけ買える身分になりたいと思う今日この頃です。