締め日をまたぐ週の週法定労働時間の判定の仕方について調べています

給与計算の締め日をまたぐ週の、週法定労働時間(通常ですと40時間)を超えたかどうかの判定の仕方について調べています。まだ結論は出ません。

きっかけ

きっかけはTwitterです。労働時間の計算について、なかなかおもしろいツイートをよくなさる方がいまして(Sさん)、その方がこのようにつぶやいていました。

・日曜起算
・1ヶ月変形
・20日締め

【前月第5週】
17日(日)法定休日
18日(月)所定8:00→実労8:00
19日(火)所定8:00→実労8:00
20日(水)所定8:00→実労8:00
➖➖➖締め日
【当月第1週】
21日(木) 所定8:00→ 実労8:00
22日(金) 所定8:00→実労8:00
23日(土) 所定8:00→実労8:00

この場合、締め日の関係で変形期間をまたがる週である前月第5週と当月第1週の週法定労働時間は、それぞれ40時間で考えるという認識で合っておりますでしょうか?

これに対して私の返信はこうです。

前月第5週は4/7*40=22.85714時間が週法定労働時間(しかし所定が83=24時間なので24時間を超えたところが週の時間外労働の基準となる)
当月第1週は3/7*40=17.14286時間が週法定労働時間(しかし所定が83=24時間なので・・以下略)
だったかと思います。
根拠:コンメンタール(今手元にないので頁数不明)

私の理解する給与計算における締め日をまたぐ場合の週法定を超えたかどうだかの判定方法

私のこれまでの理解では、締め日をまたぐ場合の週の法定労働時間を超えたかどうだかの判定方法には2通りありまして、1つ目は法定通りの労働時間制の場合と、2つ目は変形労働時間制の場合とです。

法定通りの労働時間制の場合は、原則通り7日目が到来するまで週の法定労働時間を超えたかどうだかの判定を待ちます。その前に給与締め日が来てしまいますので、その時点までで計算できる時間外労働だけを計算して給与を支払います。これがn月の処理です。翌月(n+1月)になったら初めてその週の労働時間が確定しますので、そこで判定して、もし週の法定労働時間を超えていたらその月(n+1月)分の給与として支払います。

変形労働時間制の場合は、給与の締め日と変形期間の終了日とが同一の場合、変形期間内で計算する必要がありますので、週の半端分は半端分だけで判定します。例えば、冒頭の例ですと半端な週の歴日数は日、月、火、水の4日間ですので、4/7*40=22.8時間が法定労働時間となります。所定労働時間が24時間で、法定労働時間が22.8時間ですから、所定労働時間の方が大きいので、この半端な週の法定労働時間の基準となる時間は24時間となります。実労働時間が24時間を超えているかどうかを判定します。

なぜ法定通りの労働時間制と変形労働時間制とで給与締め日をまたぐ場合の取扱いが異なるかと言うと、変形労働時間制が労働者に負担を強いるものだからです。ある特定の期間に限って、平均したら週40時間になるように労働時間を配分しましょう、その代わり日によっては15時間あったりしますよ、でも均(なら)したら週40時間になるのだから許してねという制度だからです。

労基署の見解が異なる・・・?!

ところが、私のこれまでの見解をくつがえすような労基署の意見が出てきました。

もしか根拠はこれですかね?

私も野口先生と同じ考え方で、この資料を見て端日数に応じて週法定を算出すると考えてましたが、先日監督署にて質問をしたら、この資料の通りそれぞれの週は40時間が週法定!と言われてしまいました…😨

どう読んでも端日数に応じて法定を算出すると読み取れるんですが😨

監督署で聞いたらこの文献を基にして説明をされ、前月第5週と当月第1週の週法定労働時間はそれぞれ40時間で見る事が原則であり、例外的に端日数にて計算して週法定労働時間を計算する事もできます。と窓口の方と上席にいた監督官数名の共通の回答だったんですが…

どちらの労基署かも分かりませんし、Sさんがどのように質問なさったのかも分かりません。しかし、Sさんがもらった労基署の意見だけではなく、そういえば昔労務勉強会で使った資料も月末を週40時間としていたなと思い出しました。

厚生労働省のHPにある1か月単位の変形労働時間制に関するリーフレットです。

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/leaflet_kijun.html

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-2.pdf

第5週は暦日で3日しかないが、「⑤1日8時間、1週40時間を超えていないが」とあるように、週の法定労働時間を40時間としているリーフレット。マーカー部分は筆者。

私は以前この資料をみたとき、週の途中で変形期間が切り替わるから、計算が複雑になるので端折ったのかな??とだけ思っていましたが、今回労基署の見解を聞いて、もしかしたら私が見落としている何かがあるのかもしれないと思うに至りました。

あ、ちなみに、給与の締め日と変形期間の終了日とは一致させる必要は全然なくて、もし変形期間の終期が給与の締め日が異なるときに、給与の締め日が週の途中にある場合は、原則通りの週法定労働時間の判定方法となります(という私の理解です)。今回のSさんの質問は、文脈から給与の締め日と変形期間の終期とが一致している場合と考えました。

疑問噴出

考え出すと止まりません。もし労基署の見解が正しいのであれば、例えば退職者に対する精算はどうなるのだろう?と思いました。

1年変形では途中退職者の精算方法については当局の見解が出ておりますが、1か月変形の場合は私の知る限りでは出ていません。

私はずっと月またぎの半端分については、1か月変形の場合、コンメンタールにあるやり方(n/7*40)でやると思っていましたので、退職者についてもおそらく端数の日付は1年変形の精算の仕方に準じて精算するのであろうと思っていました。しかし、労基署の見解が週40時間で見るというものであるならば、退職する直前の半端な日数の週は、どんなに残業しても週の法定労働時間を超えることは少なくなってしまい、かえって労働者に不利になりそうですね。

例えば1か月変形の、日曜日起算で第5週目が次のような所定だったとき

日 1 1 1 1(金曜日から次の月。こんな変な所定があるかどうかは別として)

実労働が次のようであれば、

日 8 8 8 8(金曜日から次の月。でもこの人は嫌になって逃げたという想定)

法定労働時間は週40時間1日8時間ですから、どちらも超えていないので法定労働時間外は発生しなかったということになります。変形期間の枠での判定でどうなるかは別ですが。

また、制度を切り替える場合もあります。1か月変形をやめて1年変形にしようと切り替えるようなタイミングです。その場合も、週40時間で判定するのでしょうか?変形というのは労働者に負担を強いるものですから、変形期間というものは厳密に区分すると私は考えていました。その変形期間同士がたまたま週の前半と後半とで同居するようなタイミングがあったとしても、週の法定労働時間の判定は40時間で考えるのでしょうか・・・?なんか、かなりおかしなことになりそうです^^;

まだしばらくこの件は調べようと思います。