私の考える最強の(ブラックな)就業規則

わが事務所に現在従業員はいませんが、私は今事務所の就業規則を作成中です。

厚生労働省「モデル就業規則」(https://www.mhlw.go.jp/content/000496428.pdf)←20221203現在リンク切

就業規則はいつ作るのがよいか

就業規則は常時働く労働者が10人以上いる事業場で作成する義務がありますが、前々から私はこれに大変不満がありました。

従業員が10人になるまで就業規則を作らないのでは、遅すぎると思うのです。

では、従業員が何人になったら作るのがベストかというと、もちろんゼロのときです!誰も雇っていないときに就業規則を作ってしまうべきです。

なぜなら、従業員がゼロのときこそ、労働者の不利益変更という、とてもやっかいな問題を考えずに、自由に(と言っても法律違反になる労働条件はダメですよ)就業規則を作れるからです。

一人でも採用してしまったら、その労働者との労働契約が基準となりますので、それより下になるような労働条件の就業規則を作ることはできません(労働契約法第9条)。一応労働契約法第10条が用意されていますが、この第10条に定める手続きというのは大変に難しく、私はほぼ無理だと思っています。一人一人に周知して、一人一人に了承のサインをもらっても、「いや難しくて分からんかったけど、会社の人間関係が悪くなるといやだから、分からないままサインしたんです」と後からいくらでも言われてしまうので、労契法第10条というのは、絵にかいた餅なんじゃないかと個人的には思っています。

という訳で、当事務所では従業員のいない今、鋭意就業規則を作成中です。

どんな就業規則がよいか

どんな就業規則がよいか、考えています。

私には「こんな事務所にしたい!」という理想がありますが、あえてその理想を追求せず、逆にこんな就業規則だったらいやだなと労働者が思うような、法律すれすれの就業規則というものを作ってみようと思いました。

なぜなら、一人でも人を雇ったときに、その人と話し合って労働条件を決めるであろうからです。

その際、就業規則の方が労働条件が低いのであれば、就業規則のその部分だけをそのときに変えればよい話です。就業規則を労働者に有利に変更する分には、労働者の同意は必要なく、意見聴取だけで済みますから楽です。

初めから理想の高い、労働者に有利すぎる就業規則を作っておいたがために、いざ人を雇ったときに、あまりにも理想が高すぎて、事務所の経営が厳しくなるようでは困ります。

違法ではない、しかし労働者にとって嫌な規定をふんだんに盛り込む

違法ではないが、労働者にとっては嫌な規定をふんだんに取り込もうと思っています。

例えば、有給休暇の消費の順番は法律では定まっていません。2年使わないでいると時効で有給休暇を使う権利は消えてしまいますので、特に何も就業規則で定めないなら、有給休暇を使用する際、消費する順番は古い方からになります。しかし、そこをあえて就業規則で「新しく付与したものから消費する」と定めてしまうのです。

残業については申告制と許可制を導入しようかと思っています。もちろん1分単位で支払うつもりですが、申告制にするとなぜか労働者の方で忖度して、端数の数字を切り捨ててちょうどよい数字で申告することが多いからです。許可制にするのは、いわゆる生活残業を排除する意図です。

1年単位の変形労働時間制と1か月単位の変形労働時間制をあらかじめ就業規則に盛り込んでおくつもりです。実際に使うかどうかはさておき、「・・・変形労働時間制を採用することがある。」というように制度の枠組みだけ用意しておこうかと思います。昔1年単位の変形労働時間制で働いたことがありますが、とてもいやなものでした。1日の所定労働時間が7時間50分でしたが、8時間と7時間50分はそう変わらないのに、1か月に2回は土曜日出勤の日があって、その週は連続6日間働くことになりますから、5日間だけの週に比べて疲れました。そのとき「変形労働時間制は労働者にとって損だな!」と感じました。

あとは、育児休暇、介護休暇は無給にしておこうと思います。

・・・・こんな風に、労働条件として最低限ギリギリの就業規則を作っておこうと思っています。

もちろん、もし当事務所に一人でも採用した場合には、就業規則を周知する必要がありますので、その際にその人に説明し、どう変えたらよいか一緒に考えてもらおうと思っています。

従業員ゼロで作る就業規則

たいていの企業では就業規則は従業員が増えてきてから作成しているものと思います。

しかし、そのやり方だと、真にこうしたいという社長の願いは就業規則に反映できない場合があります。すでに労働者がいますので、彼らの不利益にならないよう就業規則を作る必要があるからです。

労働者がゼロのときこそ、就業規則を作るチャンスです。

なお、当事務所では就業規則の作成、修正についても承っております。