有給休暇管理簿
2019年に法改正があり、有給休暇管理簿の作成が企業に義務付けられました(労働基準法施行規則第24条の7)。
罰則はない
有給休暇管理簿の作成が義務付けられたのですが、有給休暇管理簿を仮に作成していなかったとしても罰則はありません。
しかし、2019年から会社に対して、年10日付与される労働者に対しては、年次有給休暇を5日以上取得させることが義務化されました(労働基準法第39条7項)。
これを怠ると罰則があります(同法120条)。
有給休暇管理簿
誰がどれだけ有給休暇を消化したか、把握していなければ年5日取得済みかどうかもチェックできません。
だから、結局有給休暇管理簿はいやおうなく作成する必要がある訳です。
有給休暇管理簿を賃金台帳といっしょに作成している会社も多くありますが、私のお勧めは有給休暇管理簿だけでの単独の作成です。
有給休暇は基準日(入社から半年経過した日などの、年次有給休暇を付与するための基準となる日)や、実際に取得した日、半日か1日か、時間単位年休制度があるなら時間単位で取得したかどうか、付与から2年経過すると時効により消滅するなど、着眼点がいろいろあるので、それ単独で管理簿を作成した方が管理がしやすいと思います。
送検事例も
2019年法改正直後はほとんど(全く)なかったのですが、ここ最近この年休5日取得義務違反にかかる送検事例が増えてきました。
これ↓は最近の労働新聞のリンクです(2023年6月5日)。
年休違反が大幅増に 定期監督や送検状況 厚労省
https://www.rodo.co.jp/news/150836/
定期購読してないと本文が読めないと思いますので、ざっくりと要約すると、労働基準監督署が定期監督を実施したところ、発見された年休5日取得義務違反の事業場数が前年の約3倍となっているそうです。送検された件数も、前年(2件)の3倍に当たる6件となっています。
法改正当初は、丁寧な指導をするという方針だったと聞いています。そのせいか送検まで行った事例はほとんどなかったのですが、法施行から3年経過した今は、監督署も強い姿勢になってきたということなんでしょうか。
企業の担当者におかれましては、有給休暇管理簿のチェックをお願いします。もしまだ有給休暇管理簿を作成していないということであれば、早急に作成しましょう。作り方に困ったら、社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
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