年収の壁

パートを雇ったときに「扶養の範囲内で働きたいです」とおっしゃる方がいます。

かくいう私もかつてはその一人でした。

しかし、いろいろ計算した結果、たくさん働いて自分で社会保険を掛けた方が得という結論に至りました(個人の感想です)。

確かに扶養の範囲内なら自分で社会保険料を掛けなくてもいいので、その分お得だと考える余地はあるのですが、国民年金第3号被保険者ということは将来もらえる年金はその期間については基礎部分だけということになります。

寿命が延びている今、年金額が多い方が得というふうに考えることもできます。

この点、私は実際に計算してみました。自分の年金記録をもとに、このまま3号だった場合と、厚生年金被保険者として自分で健康保険料と厚生年金保険料を負担した場合、平均寿命まで私が生きた場合いったいどっちが得か、試算してみました。

かなり個人的な情報になるので、当時計算に使ったExcelはここに提示できないのですが、私の場合は年収140万円稼げば、被扶養者でいるよりお得だという計算結果になりました。将来もらえる年金も、自分で掛けた場合は、だいたい8年受給すれば元が取れる計算となりました。

ということで、私が扶養の範囲内で働いたのは、短い期間だけでした。

計算に使った要素を自分の覚えも兼ねて列挙しておきます。

  • 時給
  • 配偶者の扶養手当
  • 住民税(市と県)
  • 所得税
  • 平均寿命
  • 標準報酬月額(年金定期便から)
  • 保育園に支払う保育料
  • 健康保険・厚生年金保険の保険料額表
  • 雇用保険料料率

今回なぜこんなことを記事にしたかというと、特に何の根拠もなく、「ヒトが、”扶養の範囲内で働く方が得だ”と言うから、そうしている」とおっしゃる方がいたからです。

その方、そうやって何十年も扶養の範囲内でパートで働いていたのですが、年数が長い分時給も上がってしまい、年々働ける時間数が減っていき、年末近くになると「収入がオーバするので12月が終わるまで働けません」という事態になっていて、本人も会社も困っていました。

果たしてその働き方は本当にお得ですか?と思ったので、記事にしてみました。