「60歳過ぎると無期転換できなくなる」は間違い

労働相談を受けていて相談者の勘違いが多いのが、無期転換ルールです。

有期労働契約者の無期転換ポータルサイト

https://muki.mhlw.go.jp/

期間の定めのある雇用契約を繰り返した人が、ある一定程度繰り返すと、期間の定めのない契約に転換できるという労働契約法第18条に定めのあるルールです。

「無期転換すると正社員になる」→これは違います。契約の条件は雇用期間の部分以外は以前の契約と同一でよいので、必ずしも正社員になるとは限りません。あくまで契約期間に定めがあるのを、期間の定めのない契約にするだけですので、それ以外の労働条件については労使の話し合い(周知された有効な就業規則で無期転換の定めがあるならその就業規則等)で決まります。法律で決まっているのは、有期が無期になるという点だけです。

「60歳過ぎると無期転換はできない」→これも違います。無期転換ルールに年齢は関係ありません。ずっと有期雇用契約で何十年も働いてきた方が、年齢が60歳を過ぎたらから「私はもう無期転換できないんですよね?」と質問されてきたことがありまして、違うと説明して納得してもらうのに随分てこずりました(私の説明がへたなせいです。申し訳ない)。

無期契約の労働者が、定年後再雇用され有期雇用契約に転換した場合、有期労働契約特別措置法(略して有期特措法といいます)によりその後一定期間を経過しても無期転換申込権が発生しないという特別なルールがあるのですが、それと勘違いしているようでした。

無期転換ルールの例外(その1):高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者及び定年後引き続き雇用される有期雇用労働者に対する特例について

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21917.html#h2_free3

上記リンク先にありますとおり、定年後再雇用された方が対象ですので、最初から有期雇用として働いてきた方はこの例外の対象となりません。つまり、無期転換できます。