「法廷傍聴へ行こう」を読んで裁判所に行ってみた話

井上薫「法廷傍聴へ行こう」第5版を読みました。

井上薫著「法廷傍聴へ行こう」第5版

どんな本か

この本がどんな本か、初版のはしがきが一番分かりやすく書いてあると思うので、少し引用します。

法廷は、公開が原則です。これを利用して、「国民の司法参加」の一つとして傍聴を勧める声が高まっています。しかし、法廷は縁遠いというイメージを否定できません。そこで、この本は、法廷を傍聴しようとする人のために、その案内をするものです。

井上薫「法廷傍聴へ行こう」第5版初版はしがき

ここに書いてある通り、裁判所に一度も行ったことがない人でも傍聴に行けるように丁寧に書いた指南書です。ただ単なる指南書ではなく、法廷の位置付け、法廷傍聴の意義についても解説していて、全く裁判とは縁のなかった人でも興味が沸くようになります。

大変面白い本でした。一番面白かったのが、裁判に傍聴しに来る人たちのカテゴライズです。裁判官の目から見た傍聴人とは、こんな風に見えているのかと興味深かったです。私は第2のカテゴライズかなあ?社会人が社会勉強として傍聴するグループに該当すると思います。労働事件であれば仕事と関連があるので、第3のカテゴライズ(司法関係者)になるのかもしれません。

高崎にいた裁判官

読後、興味を持ったのでWiki先生で井上薫さんのことを調べたら、1998年前橋地裁高崎支部判事をしていた方だということが分かりました。

なんと!前橋地裁高崎支部はいつも図書館に行く途中、前を素通りしているところです。

気にはなっていたのですが、裁判所なんて私には関係ないと思って今まで一度も行ったことがありませんでした。

一気に親近感を持ちました。

これは・・・・行ってみるしかないでしょう。

まずは電話

いきなり行っても場違いだと困るので、まずは電話して聞いてみました。

電話に出たのは親切そうな若い男性。

一般傍聴したいのですが、そちらでも可能ですか?と聞いたら、親切に教えてもらえました。

  • 毎日法廷がある訳ではなく、その日によってない日もある
  • 午前だけの日、午後だけの日もある
  • 1階入り口のところに傍聴表があり、その日に開廷する法廷が確認できる
  • 法廷は3階にある
  • 入るときは傍聴人と書かれた扉から入る
  • 傍聴表はだいたい朝8時45分から9時くらいまでには掲示される
  • 1週間の予定表はない。毎朝確認するしかない

などなど。

今日(11月14日)は午後2時から民事が1件あるそうです。

行ってみた

前橋地裁高崎支部の入口。裁判所は写真撮影できないと聞いていたので、入口で控えめに撮りました。入口だけなら大丈夫ですよね?中に入ってからは撮っていません。

駐車場はそれほど広くありません。空いているところに止めましたが、傍聴人がたくさんいるときはどうするのでしょう?近くの市役所の有料駐車場に止めるのでしょうか。

入口に入ってすぐ、目立つところに傍聴表がありました。聞いていた通り、本日は1件だけでした。

民事事件で弁論(本人尋問)となっていました。

開廷時刻は14時、閉廷時刻は17時です。時計を見ると、すでに開始から1時間経過していました。

一応、のぞくだけのぞいてみるかと思って3階に上がりました。

3階では廊下が比較的広く、ソファーがいくつかありました。

法廷が3つ並んでいて、一番左が現在開廷中の法廷のようでした。

傍聴人という扉があったのでそこから入ろうかどうしようか迷っていたら、小窓があることに気づきました。

そおっとのぞいてみると、しーーーんとした法廷に、裁判官と証人台に座っている人と、傍聴人席に座っている人、他にも何人かが見えました。

とても厳粛な雰囲気です。

こんな真面目な空間に、途中から入っていく勇気は私にはありませんでした。

静かに小窓を閉めて、今日はあきらめて帰りました。出直します。

感想

本では最初に傍聴するなら刑事事件と書いてありましたが、私は刑事事件はとてもじゃないけど傍聴する気にはなれないです。血なまぐさいのとか、暴力とか、大の苦手です。

傍聴するなら最初は労働事件、できれば未払賃金訴訟がいいな・・・などと思っていますので、裁判所には再度トライしたいです。

しかし、・・・裁判所というものが開かれた場所であるというのは知りませんでした。

確かに部外者の私が入っていっても誰も何も気にしていませんでした(裁判所の中には結構人がいて、事務仕事?をしていました)。

本では、高校生の宿題に裁判所に行って傍聴するという宿題を出した先生のことが紹介されていて、それはいいな!と私も思いました。

私も子どもたちにも1回くらいは傍聴させてみたいです。

その前に、まずは自分から。しばらく裁判所に通ってみようと思います。